とりあえず、誠くんに 何もなくて安心した。 もう帰ろう……。 そうやって私は保健室を出ようと、ドアの方に向かった時 ぐいっー 後ろから腕を掴まれた。 バッと振り返ってみると、 「仁菜……?」 そこには、眠そうな声で問いかけてくる誠くんがいて 「そうだよ、大丈夫……?」 誠くんの方に向き直り、声をかける。 すると、 「うん、大丈夫 来てくれたんだな」 誠くんは嬉しそうに笑っていた。 「心配だったから……」