「じゃあ何、

話の途中でどこか行こうとするお前は

悪くないってか?」


しかし、彼は容赦なく私を責めたてる。


悪くないわけ、ない。

けど……

こういう時は、分かってくれると思ってた。

だって、根は優しい彼だから

行かせてくれると思ってたのに……


彼の表情は冷たかった。


キスしなければ、行かせてくれない。


目に溜まる涙を我慢して、覚悟を決め


私の腕を持つ高村をグイッと引く。


そして、

彼の頬に触れるようなキスを落としたら


彼は戻ろうとした私の頭を

強引に引き寄せた。