私の存在を抹消し、ロゼはひたすら走り回っていた。 あっちへ小走りこっちへ小走り 私が呼び掛けても反応しない。 私を映さない瞳を、ただ遠くから見つめることしか出来なかった。 苦しそうに彷徨う君を止めることも出来ない。 声を掛けることすら、私には出来なかった。