拓海とあたしは中学生の頃からの付き合い。

今は高一だから、今年で四年目になる。


昔からモテていたあいつ。

女子の中でかっこいい人は誰かという話があがればいつだって初めに拓海の名前が出ていた。


柔らかそうな茶色の髪に高い身長。

さすがバスケ部と言うべきか、身体つきもしっかりしている。

普段は愛想なんてないむすっとした表情なのに、意外にも下の名前呼びをしてくるところ。

バスケをしている時は子どもみたいに笑うのが素敵なんだとか。


確かに、客観的に見たらあたしもあいつはかっこいいと思う。



だけど、美術や家庭科といった細かい作業が少しでもある場合、見るも無残な作品ができあがるところはお世辞にもかっこいいとは言えないだろう。

あたしからすればバカなところばっかりなんだけどな。



それだけならまだいい。

特に被害もないから。



でも、不器用すぎて、上手く告白を断れないなんてありえない。



「無理」とたったの一言で呆気なく淡い想いを潰していた拓海に中学時代から、たくさんの友だちが泣かされてきた。

その原因のあいつをあたしが好きになれる訳がない。