すると、遠くのほうで彼が私の名前を呼んだ。 ダメだって分かってるのに、つい振り返ってしまう。 彼が私の元に駆け寄ってきた。 ぼんやりとした顔立ちでのっぺらぼうのようにしか見えない。 それでも、ドキドキした。