ポケットダーリン


「どうした?」

すぐにマネージャーや他のホストが駆け寄ってきた。


「ゆうりちゃーん、どしたのー」

怒りに震えるあたしの肩を、代表が優しく包んでくれる。

「ごめんなー?歩夢が気に障ることした?」


視界の隅で、マネージャーに背中を押されて裏へ連れられていく歩夢の姿が映る。

俯いて、今にも泣き出しそうだ。


ポロリ、涙がこぼれる。

「おいおいおいー!どした?泣くなってー!」

ぽんぽんぽん、と優しく頭を撫でてくれる。



本当はこんなこと、するつもりなんて無かった。

歩夢くんのことを傷付けたくもなかった。

感情をうまく抑えられない。

…あたし、病気なのかな?