突然パッと照明が落ち、色とりどりのライトが店内を駆け巡る。
シャンパンコールの合図だ。
「ちょっと行ってくるわ」
そう言って、ポンポンと頭を撫でて叶人は行ってしまった。
シャンパンコールが始まり、一気に賑やかになった席が1つと、暇を持て余した席が7つ。
この温度差を見るのが結構好きだ。
「…あーあ」
思わず呟いてしまう。
客の卸したシャンパンが、叶人の一番嫌いなモエだったからだ。
きっと顔面蒼白で帰ってくるんだろうな。
そんなことを思いながら、手持ち無沙汰になって携帯を手に取る。
あたしはアプリを探し始めた。