なに、突然。 今まで、こんなことなかったのに、急に……どうして。 「えっ……どうしたの?」 目の前の矢野の声に焦りが見える。 だけど、そんなこと今は考えられなくて。 今までなかった事態に、怖くなってぎゅっと目をつぶる。 私、どうなるのかな…なんて大袈裟なことを思ってると 「悪いけど、このこ極度の男嫌いで俺以外に触られるのダメなの。だから……離れろよ、カス」 ふわりと甘い香りが鼻を掠めて、ぎゆっと後ろから包まれる。 そして、今にも殴りかかりそうなほど怒りに震えた声が聞こえた。