毎日が不安定だった。 耐え切れなくて。 アツシが作ったローンの返済の為、そう理由をつけてアタシはキャバで働くようになった。 外の空気が吸いたい。 家にいたら押し潰されそうで。 「葵、大ちゅき♪」 アツシは機嫌のいい時はものすごく甘えてくる。 その姿だけは嘘じゃない、そう思っていたから嫌いにもなれない。 それにアタシも……また一人になるのは怖かったんだ。 こんな嘘つきでダメな人間でも、今アタシの事を必要だと言ってくれるのは彼しかいなかったから。