学校の下足室で、秘かに思いを寄せている男子生徒がいた。


「おはよう」

夏に近い暑さも感じさせないぐらいの、爽やかな笑顔で挨拶をくれる。

「おはよ」

だが、彼女は素っ気ない返事しかできないのだ。