明日の朝一ってなると、和泉くんと一緒に朝ごはん食べられないけど仕方ない。
サラダだけ作っておいて冷蔵庫から出してもらおう、と納得して電話を切る。

それからため息をひとつ吐いてダイニングに戻ると、食事中の和泉くんが元カレ?と聞いた。

「うるさかった? ごめんね」
「いや、別に平気だけど。荷物?」
「うん。明日朝一で取りにきて欲しいって言うから、朝いないと思う。
サラダだけ作って冷蔵庫入れておくから、パンは焼いてもらっても大丈夫……?」

こんなお願い、家政婦失格かもしれない。

そう思って恐る恐る聞くと、和泉くんはなんでもないみたいにああと頷いてくれた。
そして、朝一じゃ忙しいだろうからサラダも無理しなくていいとまで言ってくれる。

和泉くんは好意で私を置いてくれてるだけで、本当は家事だってなんだって自分でできる人だ。
私が初めて部屋に上がらせてもらった時から部屋はキレイだったし、洗濯物だって溜まっていなかった。

家事が面倒だって思ってる部分は多少あるのかもしれないけど、だからってやらないわけじゃない。

だから、私が体調悪いと自分でなんでもやってくれるし、私の分の食器まで洗ってくれたりお風呂を入れてくれたりする。
そんな優しさが、嬉しいと感じると同時に、苦しくなってしまう。