私、こんな格好で呆れられたりしなかったかな、と自分を見下ろしてみると、チェックのシャツにジーンズのショートパンツっていう、完全にカジュアルな服が目に映る。
その上につけているエプロンは、無地のベージュの生地に紫メインのチェックのポケットがついたモノだった。

そこまで気を抜いた格好でもないけど、昨日初めて来た家でする服装じゃないかもしれないとハっとする。
生き生きと家事をこなしている場合じゃなかったかもしれない。

こいつ随分くつろぎやがって、もう我が物顔でこの部屋にいやがるとか思われてたらどうしよう。

急にそんな不安が襲ってきて、せめてオシャレなワンピースとか余所行きの服に着替えた方がいいかもしれないと、借りている部屋に入ろうとした時。
いつまでも玄関から戻らない私を不思議に思ったのか、リビングから和泉くんが顔を覗かせた。

「なにやってんの」
「あ……なんか、リラックスした格好しすぎてて和泉くんが不快に感じたらどうしようかと思って……。
着替えた方がいいかなって」

説明した私に、和泉くんが顔をしかめる。