それはいつまで経っても変わる事はなく、新しい彼ができても、別れがきても、当たり前のように私の中にあった。
彼に裏切られたり、昨日みたいに追い出されたり、仲間外れにされたり。

和泉くんと離れてから傷つく事はたくさんあったけれど、まるで次元が違っていて。
和泉くんとの事だけが、私の中で別次元まで突き抜けていた。

今までも今も、そしてきっとこの先も。
だから、他の事に少し鈍感になっていたのかもしれない。

「和泉が留学してから二年くらい経った頃、莉子がようやく新しい恋をして彼氏ができたじゃない?
その時、やっと莉子も和泉の事を吹っ切れたのかーって嬉しかったしよかったって思ったんだけど、そうじゃなかったよね」

そう言い切った佐和ちゃんが、じっと私を見る。

「莉子は恋愛に一直線だし健気だし、その時その時、恋してる気持ちに嘘はないんだろうけど……和泉の時のとは違うのが見てて分かった」
「ちゃんと好きなんだけど……なんでだろうね。
そういう私を彼に見抜かれて浮気とかひどい事されちゃうのかな」