「そうかもね。なんかでも……内面も結構変わった感じだったかも。
変わったっていうか、心を閉ざしちゃった感じっていうか……冷めちゃったというか」
「え、あの和泉が?」
「うん。だから、無表情になっちゃったんだろうけど。
なんか話してると少し悲しくなるような雰囲気だった」
信じられないといった風にポカンとした顔をしている佐和ちゃんに、苦笑いを作った。
「疲れてるのかもね。高校の時と違って仕事もあるし」
「それはそうかもしれないけど……そんなに変わる?
高校からの男友達にたまに会うけど、みんな多少はしっかりしても集まると割とそのままだけどなぁ。
莉子のいう和泉って、聞く限りなんか別人みたいな変わりようじゃない」
大丈夫なの?と顔をしかめられて、なんとか微笑んだ後目を伏せる。
和泉くんの様子がおかしい事には、再会してすぐに気づいた。
変わってるとかそういう以前に、なんだかぴりぴりしている雰囲気を感じたし、まるで無表情の仮面でもつけたように笑わない和泉くんは、いつでも戦っているように見えたから。
私には見えない何かと。
分からないけど……何かに追い詰められてる。
再会して間もない私に何が分かるんだって言われればその通りだけど。
率直にそう感じた。



