「潔癖症っていうより、掃除が面倒。
でも散らかってる状態は嫌だから散らかさないってだけ」
キレイ好きなのか、和泉くん。
高校の頃は、ロッカーとか結構溢れ返ってた気がするけど、変わったのかな。
でも、散らかしたって誰かが注意してくれてた高校時代とは違うんだから、片づけるようになってても当たり前か。
「大野は?」
「キレイ好きかって事? どっちかって言えばそうかも。
部屋は片付いてた方が気持ちいいし、散らかってると落ち着かないから」
「洗濯とかは?」
「普通にしてたよ。でも私が住んでたアパートはここみたいにベランダ広くなかったから、あまり干せなかったけど」
「アイロンは?」
「アイロン? スチームは使った事ないから通常のならできるけど……」
なんだか面接でも受けている気分になるのは気のせいだろうか。
料理、掃除、洗濯、アイロンがけ。
その経験とできるできないを聞かれるなんて、仕事の面接だったら思いつく業種は家政婦ぐらいだけど。
どうしてそんな事聞くんだろうと不思議に思っていると、パンを食べ終えた和泉くんが私に視線を移す。



