まだ同じ疑問が浮かんだ。
この間、テレビでB級映画の再放送がやっていて、たまたま夕飯の時間に重なった。
なんとなくその番組がついていたけれど、奏一くんは深緑色のゾンビが出てきたとほぼ同時にチャンネルを回した。

ゾンビって腐ってるんだろ、そんなもん食べてる時に見たくないって。
和泉くんは、私がゾンビ色だって騒いでも平気でクレープを食べてたのに……。

それだけじゃない。思い出せばもっと他にもたくさんあったハズだ。
昔とは違うところは、一緒に過ごせば過ごすほど見えていたハズなのに、なんで気に留めなかったんだろう。

なんで私は何も気にしないでそのまま受け入れて過ごしていたんだろう――。

「和泉くん……奏一くんってどんな人?」

急に話題を変えた私を和泉くんは少し驚いた顔で見たけれど、その後笑って答えてくれた。

「少し難しいところがあるけど、いいやつだよ。
頭もいいし、クールに見せてるけど優しい」
「……うん。そうだよね」

思っていた通りの答えが返ってきて、ホっと嬉しくなる。
和泉くんが奏一くんの事を認めてくれたように感じたからかもしれない。