そこまで話して、疑問に思う。
そういえばこの間ショッピングモールに行って、奏一くんとクレープを食べたけど何も違和感を感じなかったのはなんでだろう、と。

和泉くんはクレープ好きだったのに、奏一くんはその時甘いものはあまり好きじゃないからってコーヒーを頼んだ。
おいしいから!って私がすごい勧めたから私が頼んだのを一口だけ食べていたけど、その感想は甘いって一言だけだった。

クレープ好きの和泉くんと、甘いもの苦手な奏一くん。
今考えてみればおかしいのに……なんで私は不思議に思わなかったんだろう。

「へー。じゃあ今度行くか。
何が好きだったか忘れたけど、確かクリームチーズが入ったヤツをよく食べてた気がする」
「あ、そうだったかも」
「夏になると、抹茶系のクレープが出てさ、俺がそれ頼むと莉子がいつもゾンビ色とか言って嫌がってたよな。
あの頃、丁度流行ってたゾンビ映画に出てくるゾンビがそんな色とかで、食べられる色じゃないとか騒いでたの、覚えてる?」
「だって、本当にそのまんまの色だったんだもん。
深緑色のアイスに黒蜜がかかっててゾンビの血みたいで。
私がゾンビだって言ってるのに、和泉くんそんなの全然気にしないで食べてたよね……」