慌てて消そうとして……ところでピンク業務ってどこまでするんだろう。いくらもらえるんだろう。そんな疑問が湧いてくる。
やるつもりもないけど、知っておくくらいなら別にいいかも。と、興味本位で表示されているページを開いた時。
すぐ後ろから声が聞こえてきて肩が跳ねた。
「そんなに金に困ってたのか?」
「いっ……べ、別に! 全然っ!」
画面を隠すようにして顔だけ振り向くと、顔をしかめた和泉くんと目が合った。
怒っているような、困っているような、そんな複雑な顔をされて慌てて首を振ったけれど、しっかり誤解されたみたいだった。
「そんな仕事、おまえには……」
和泉くんは何か言おうとして、それを我慢するように眉間にシワを寄せて口を閉じる。
それから少し黙った後、私を見た。
「俺がどうこう言える立場じゃないのは分かってるけど、そういう仕事は……」
「ち、違うの! ちょっと仕事調べてたらこういう職業が出てきて、それで興味本位でどれくらい稼げるのかなって思っただけで!
どういう事するかは知らないけど、私は……誰彼かまわずそういう事できるわけじゃないから。
手を繋ぐのだって、好きな人じゃなきゃ嫌だし……」
気まずい空気が流れたのは、きっと和泉くんも昨日の事が頭をよぎったからだと思う。
誰とでもそういう事するわけじゃないって事は、昨日和泉くんとエッチしたのは好きだからって事になる。
それが和泉くんにも分かったから、変な空気になったんだ。



