大体、初めから分かってたハズだ。
和泉くんが私に恋愛感情を抱いていないって事くらい、分かってたじゃない。
一度振られてるんだから。
だから、和泉くんは私をここに置いてくれてるんだから。
恋愛になんかならないからって理由で、同居してるんだから。
それを私だって、分かってたハズだ。
優しさからで、そこに恋愛感情はないって知ってたでしょ?
――なのになんで。
引き裂かれた胸が、こんなにも苦しいんだろう。
跡形もなく割れた風船のかけらが、胸中に刺さったように痛くて痛くて、泣き声すら声にならなかった。
私はバカだ。
一度振られてる人に、可能性なんてない人に、もう一度恋をしてしまうなんて。
バカすぎる。



