ああ、そうか。
私のお得意の勘違いが発揮されちゃったのかもしれない。
なんでもやたらといい方向に捕えちゃって結果早とちりだとか勘違いだとか、そういうの多いもん。
後になって、あれって私の勘違いだったんだ!って恥ずかしくなる事、今までだって数えきれないほどあった。
過去の経験からいっても、今回もそうだったってだけの話だ。
私に触れる和泉くんの体温が優しかった事も、私を呼ぶ声に気持ちがこもっているように感じた事も。
見つめる瞳に、溶け出しそうなほどの熱情を感じた事も。
全部、私の勘違いだったんだ。
自分に都合のいいように解釈しちゃって、勘違いして……夢見て期待して。
なんだ……そっか。
いつもの早とちりと勘違いか。ひとり相撲か。なんだ。
佐和ちゃんに風船割ってもらえなかった事をずっと心残りに思っていたけど、よかったのかもしれない。
私の風船を割る事に長けている佐和ちゃんよりもきれいに、和泉くんが一刀両断してくれたから。
本人が割ってくれたんだもん。
もう再生のしようがない。
だから……よかった。



