昨日、キスまではただの流れだったかもしれない。
暴れてるうちにベッドに倒れちゃって、なんとなくだったかもしれない。
だけど、その後は……お互いの意思の上で行った行為じゃなかったの?
どうしたいって聞く和泉くんに、私は和泉くんの好きにしていいって答えた。
そんな私に、和泉くんは、俺以外の男の事は忘れろって、そう言いながら触れて……。
私は、あの言葉は和泉くんの独占欲みたいな気持ちの表れだと思って嬉しかったのに、違ったの……?
気持ちが通じたんだと思ってたのに、違った?
私の勘違い……?
俺の世話って……昨日の事も、和泉くんにとっては仕事のうちみたいなモノだったって事?
そんなエッチなビデオみたいな事、お手伝いさんに頼んじゃうの?とか。
でもだとしたら私、全部和泉くんに任せっぱなしで何もしてあげてないとか。
ひとりで気持ちよくさせてもらって、和泉くんに何もかもさせっぱなしとか、お手伝いさんとしてダメだったんじゃ……とか。
そんなくだらなくてどうでもいい事がポンポンと頭に浮かんでは沈んでいく。
それを何度も繰り返して……。
――和泉くんは、誰でもよかったの?
最後まで残っている疑問が胸をギリギリと痛めつける。



