そんな様子をチラチラ見ながら、昨日の事を切り出そうかどうか悩む。
今日は土曜日だし、和泉くんが家にいる時間も平日よりは長いだろうし、そんなに急ぐ必要もないのかもしれないけど。
結局あのまま寝ちゃって、朝になって和泉くんがベッドから下りる振動で私が目を覚ましたから特に話はできていないままだ。
だから、好きだとも言えていないまま。
エッチしておきながらそんなの今更かもしれないけど……やっぱりちゃんと伝えたいって気持ちが強かった。
和泉くんはそのへん、どう思っているんだろう。
そんな事を考えながら、和泉くんの前にランチョンマットを敷いて、その上にオムレツの乗ったお皿とパンを置いて、冷蔵庫から牛乳を取り出してコップにつぐ。
それをカウンター越しに和泉くんに渡してから、調理に使った食器を洗ってしまおうと水を出した時、和泉くんが話しかける。
水道から流れ落ちる水音で聞き取りにくかったけれど、それはしっかりと私の耳に届いた。
――昨日の事、あれも俺の世話だと思ってくれればいいから。
そう、はっきりと。
どういう、意味……?
そんな疑問が一瞬頭に浮かんだけれど、それを口に出したら和泉くんを困らせるんじゃないかと思ったから、混乱しながらも、これ以上ないほど困惑しながらも、分かったとだけ返事をしてスポンジに洗剤を落とした。



