もっとされたい。でも、和泉くんの指や視線から逃れたい。
だって、和泉くんにこれ以上の事されて平気でいられる自信がないし、きっと訳が分からないくらい乱れて見せられないような顔しちゃうかもしれない。
和泉くんにそんなところ見られるのは嫌だ。
そんな風に考えて混乱していると、キスをやめた唇で首筋に舌を這わせていた和泉くんが言う。
「俺以外の男の事は、忘れろ」
まるで独占欲でも感じているような言葉に驚いたのは、和泉くんがそういう感情を持つタイプだとは思っていなかったから。
昔の和泉くんはみんな友達!みたいな感じで彼女とかできても友達の延長線上で付き合っていくんだろうなって感じだったし、今の和泉くんは恋愛だとかそういう方面に淡泊そうだと思ってた。
だから、そんな言葉を言われて驚いたし……嬉しかった。
私なんかにそう思ってくれた事が。
身体をなぞっていく和泉くんの指先、舌、体温。
たっぷりと時間をかけてじらされた身体。
耳元で落とされる、和泉くんの熱い吐息。
熱を持った瞳に、余裕のない顔。
和泉くんの少し掠れた声で呼ばれる、私の名前。
言われるまでもなく、和泉くん以外の事なんて考えられなかった。