冷蔵庫の前にしゃがみこんで、熱くなった頬を両手で覆う。
そのままコツンとおでこをつけると、冷蔵庫の微弱な振動が伝わってきた。

微笑んで、大野は別だなんてやめて欲しい。
熱で少し甘えてるだけかもしれないっていうのも分かってるし、さっきの言葉が冗談だっていうのも分かってる。

真に受けちゃダメだって事も。

それでも、和泉くんを想っている私はうっかり変な期待をしちゃうんだから。
すぐ勘違いしちゃうって和泉くんだって知ってるんだから。

いたずらに期待させられちゃうのは困るのに。
高鳴った胸が、掴まれた腕の熱が、ちっとも収まらない。


重たい病にかかったのは私の方だ。