私をかばってくれようとしているにしたって、随分大胆すぎるように思えてしまって。
そこまであからさまな嘘を言っている和泉くんに申し訳ないって気持ちと同時に恥ずかしさがこみ上げてくる。
見た目もスタイルも、岩上さんの方がいい。
当人の私ですらそう思うんだから、他人から見たら一目瞭然だと思う。
だからもう、一体どんな顔していればいいのか分からなくて居たたまれない気持ちになったのだけど。
和泉くんの視線の先にいる岩上さんは、心当たりがあるのか顔をしかめたまま黙ってしまった。
「俺には、岩上が、あれだけ敵意のこもった嫌味を言ってきた相手に素直に頭が下げられるとは思えない」
「それは……っ」
「その前に、初めて会った相手にあんなに嫌な態度を取れる岩上を褒めた方がいいのかもしれないけど」
考えてみれば、確かに嫌味だったのかもしれない。
彼女失格だとか不釣り合いだとか誰も納得しないだとか。
彼女って事自体が嘘だったから、嘘をついてるって事に意識が集中して気づかなかったけど。
岩上さんはバツが悪そうに俯いて、全部聞いてたんですか……と和泉くんに聞く。



