「ごめんね、起こしちゃった?」

大丈夫?と聞きながらそっとおでこに手を伸ばす。
朝同様、手で計っただけで熱いのが分かって顔をしかめると、心配しすぎだと呆れて小さく笑われる。

「熱によく効く薬と、食べられそうなモノ色々買ってきたから、必要な物あったら言ってね。
あと、おでこに貼るやつも……」

何か欲しいモノはないか、できる事はないか。
とにかく何でも言って欲しくてじっと見上げていると、とりあえず後でいいと言われる。

和泉くんは心配する私にわずかに微笑んだ後、視線を岩上さんに向けた。

「大野も帰ってきたしもう大丈夫だから。
色々悪かった。ありがとう」

岩上さんは、和泉くんの言葉にきゅっと唇を結んで眉をしかめる。
それから、和泉くんに訴えかけるような視線を向けた。

「でしゃばった真似をしてるって事は分かってて言います。
でも、大野さんに和泉さんはもったいないと思います。今日だって、そんなに調子の悪い和泉さんを放って派遣の面接だなんて……」
「面接行くのが普通だろ。むしろ、俺のために面接休まれたら困るけど」
「でも……っ」