強く言い切る岩上さんは、一体何を望んでいるんだろう。
なんで、怒らなかった事に対してここまで言われないといけないんだろう。
しかもお礼を言った事に対して逆に怒られるなんて、意味が分からない。
「分からないですけど、今はやきもちとかの私の勝手なわがままより、和泉くんの身体の方が心配だったから。
岩上さんの言うように、和泉くんがひとりの時に何かあっても嫌だったから、岩上さんがいてくれてよかったって思って。
だから、ありがとうございました」
和泉くんが寝込んでいる状態じゃなかったら、やきもちみたいな気持ちもあったのかもしれない。
私は本来嫉妬深いし、彼氏が他の女の子とふたりきりなんて嫌だと思う。
まして、寝顔を見られて世話まで焼かれちゃったらもう……ひとり泣き崩れるかもしれない。
だけどそんなやきもちは、不思議と今は顔を出そうとはしなかった。
和泉くんが無事ならそれでいい。
岩上さんへのお礼だって、心から出た言葉だ。
「あ、でも、彼氏ってわけでは……」
大人しくなってしまった岩上さんにそう声をかけると、ギロっと睨まれてしまう。



