恋踏みラビリンス―シンデレラシンドローム―



面接した会社を出たのが14時だったから、今は15時前ってところか。

和泉くんはさすがに今日は定時で帰ってくるだろうし、それまでに部屋の換気をして……。
食欲が出た時にいつでも食べられるように、うどんを作っておこう。

買ってきたのは冷凍うどんだから、具材を入れたスープだけ作っておいて後はうどんを入れるだけにしておけば……。

色々と考えを巡らせながら着いた部屋。
鍵を開けてドアを開けて一番に気づいたのは、玄関に和泉くんの靴がある事だった。

脱ぎ散らかされている状態の靴を見て、すぐに中に入る。

「和泉くん?!」

あまりの体調の悪さに早退してきたんだ、きっと。

四袋のビニール袋を玄関に放置してリビングまで入った時。
和泉くんの部屋から出てきた女性に気づいた。

私と同じ歳くらいの女性は社会人のようで、制服姿だった。

白いブラウスに濃いグレーのベストと同色のタイト目のスカート。
首元のスカーフは淡いピンク色で、上品なイメージを持った。