お風呂とか、例えどんな状況だろうと絶対に和泉くんが先に入るべきなのに、私が22時から見たい番組があるって理由だけで、先に入っていいって言ってくれる和泉くんの言葉に甘えてるし。

休みの日なんか、一度買い出しに付き合ってもらってからは、毎週車を出してくれる和泉くんに甘えっぱなしだ。

その上、先週なんて私が風邪を引いたりしたから、それを看病までしてもらっちゃったし、もう本当にお手伝いさんだったらクビレベルまできてる。
なんの手伝いにもなれていない。

今までの甘えを考えれば、このレベルの試練が100個くらいないと傾いた天秤が戻らなそうだけど。
天秤といえば、あの乗せる重りなんて言ったっけ。
文鎮じゃなくて……。

そんな事を考えながらも、視線はずっと和泉くんの部屋のドアに向けられたまま。

今日は派遣の面接があるから、私も色々準備しないとだし、あまりのんびりはしていられない。
それ以前に、和泉くんだって仕事があるし、今日は平日で休みだとも聞いていないから、普通に出勤しないといけないハズだ。
だったら早く起こさないと、だ。