周りはお祭りムード一色で 自分もそれに染まってて その風景はまるで桃源郷だった。 本当に幻のようで 自分が別世界の人物に思えてくる。 「来てくれたんだ…。 来ないかと思った」 目の前の男の子ー遼助はそう言うと 静かに笑った。 いつもと違う笑顔に どきどきしている自分がいて やっぱり、今の自分は 別人なのかと思ってしまう。 こんなやつに どきどきなんかしてない。 してるわけないんだ。