「え……いいんですか?」 「いいよいいよ。実はそれ、とある人からかっぱらったんだけど、そいつに見つかるとやっぱりやばいかなーっと思って」 ……私がやばい状況になったじゃんか。 「押し付けないで下さいよ……」 「まぁまぁ。それで腹にたまらないと思うけどさ、食べないよりはいいでしょ?」 一粒、口に入れる。 かりかりと噛んだ後に、ほんのりと甘い味が広がった。 「美味しい……」 「そう?良かった」