唇を引き結んで立ち上がり、苦無を投げた。 しかしそれも、男に簡単に避けられる。 再び、苦無を懐から取り出し……構えた。 男は容赦なく、刀を振り下ろす。 ガキンッ! その動作を抑える為、苦無で刀を受け止めた。 苦無と刀を壁にして、私達は睨み合う。 だけど……。 「はぁ……っ」 乱れていく息。 それに、苦無と刀は格が違うのは必然で……。 刀に押され、呆気なく私は壁際に追い詰められた。 「……っ」 とりあえず離れるべく、私は男の腹にありったけの力を込めて蹴りを入れる。