夢の中で誰かに抱き抱えられた。 ふわりと香る匂い。 この香り……。 なんだか、……すごく安心できるいい匂い。 そっと目を開けたとき、覗き込んできたのは、今一番見たくない顔だった。 周りを見渡すと、白で統一された清潔そうな部屋。 ……ああ、保健室か。 「やっと目覚めた?」 「………秋山」 あたしは秋山に背中を向ける。 どうして、こうゆうときに限って先生いないんだろう。