ディスオーダー【短編集】


「ねぇ、ミミってさ、何を言っても無視するよねー?」

「うん。信じられなーい」


 学校の午前の授業が終わり、今は昼休み。

 ご飯を食べようと口を開けると、教室のどこかからミミの悪口が聞こえた。

 大切な友達の悪口を言われ、私はカッと頭に血がのぼる。


「……ううん、いいの。いいからね、ユミコ」


 ミミの悪口を言う女子生徒に何かしら言ってやろうとすると、私の隣にいたミミはそれを引き止めた。

 「どうして?」と聞くと、ミミは微笑む。


「周りの人のことなんて放っておけばいいのよ!私はユミコがいてくれるのなら、それで十分」


 やりきれない気持ちもあったけれど、ミミにそう言われ、私は何も言葉を返すことが出来なかった。