「ちょ、ちょっと何、してんですか?」
「はあ?何って、お前を迎えに来たんだろがっ。」
「迎えにってそんな約束してませんよっ!」
「お前、何言ってんの?俺、言ったじゃん?会社の前で待ってるって。」
あっ、そう言えばーーー
急いで走って帰る時に後ろでなんか言ってたような。
でもさぁ…。
「でも、私はあなたに用はありません!」
ここはハッキリしておかねば。なのに、
「お前になくても俺はあるの。兎に角、グダグダ言わず一緒に来いって!」
また強引に手を引っ張る和菓子職人。
とは言え、昼間の職人姿の格好とは違って今はとてもラフな長袖のシャツに履き潰したジーンズを履いている。
それだけなのに妙にスタイルの良さが際立って、回りの目をガンガン引いている。
「ちょ、ちょっと離してくださいっ!友達とご飯に行く約束してるんです!」
と、抵抗しながら訴えるとーーー
「友達ってあんた?今日、こいつと絶対に飯、行かなきゃダメなの?」
チビの私の頭上で香澄の方を見る和菓子職人。
「いえいえ、滅相もない!どーぞどーぞ!」
といつものごとくお気楽な香澄の声がエントランスに響く。
「ちょっと、香澄っ。」
「じゃ、遠慮なく。」
そう言うと、ひょいっと私を片方の肩に担ぎ上げ、
「お前、上新粉なみに重いのな。」
そう言いながら進みだした。
「いやぁ~、降ろしてぇ~、止めてぇ~。」
「静かにしやがれ、余計に重くなるだろがっ!」
と、お尻をパチンと叩かれた。
「きゃぁ~~~、へんたぁーい。助けてぇ。」
エントランスにいつまでも私の声が響いていた。
「はあ?何って、お前を迎えに来たんだろがっ。」
「迎えにってそんな約束してませんよっ!」
「お前、何言ってんの?俺、言ったじゃん?会社の前で待ってるって。」
あっ、そう言えばーーー
急いで走って帰る時に後ろでなんか言ってたような。
でもさぁ…。
「でも、私はあなたに用はありません!」
ここはハッキリしておかねば。なのに、
「お前になくても俺はあるの。兎に角、グダグダ言わず一緒に来いって!」
また強引に手を引っ張る和菓子職人。
とは言え、昼間の職人姿の格好とは違って今はとてもラフな長袖のシャツに履き潰したジーンズを履いている。
それだけなのに妙にスタイルの良さが際立って、回りの目をガンガン引いている。
「ちょ、ちょっと離してくださいっ!友達とご飯に行く約束してるんです!」
と、抵抗しながら訴えるとーーー
「友達ってあんた?今日、こいつと絶対に飯、行かなきゃダメなの?」
チビの私の頭上で香澄の方を見る和菓子職人。
「いえいえ、滅相もない!どーぞどーぞ!」
といつものごとくお気楽な香澄の声がエントランスに響く。
「ちょっと、香澄っ。」
「じゃ、遠慮なく。」
そう言うと、ひょいっと私を片方の肩に担ぎ上げ、
「お前、上新粉なみに重いのな。」
そう言いながら進みだした。
「いやぁ~、降ろしてぇ~、止めてぇ~。」
「静かにしやがれ、余計に重くなるだろがっ!」
と、お尻をパチンと叩かれた。
「きゃぁ~~~、へんたぁーい。助けてぇ。」
エントランスにいつまでも私の声が響いていた。



