甘いのくださいっ!*香澄編追加しました*

「あんたさぁ、
朝からぼけぇっとして
ほんと分かりやすいよね?
なに?和菓子職人となんかあったの?」


「えっ……。」


職場のデスクでパソコンに
受注データ入力していると
香澄が小声で聞いてきた。


「ううん……大した事じゃない。」


そう言うと、


「あっそ。
だったら良いんどけど。」


と、あっさり自分のパソコンに
向いて手を動かし始める香澄。


えっ!
なんで?
いつもならもっとしつこく
聞いてくるじゃない。
あっさりしすぎじゃない?


「ねぇ……。」


「何よ。」


「う、うん……。」


何て言ったら良いのか
分からないよ……。
それに月末に掛けて今、忙しいもんね。
今日だって期限迫ってる
資料の山が目の前にはあるし……
私がまたパソコンに向き直ると


「はぁ……。
ほんっと、あんたさ
面倒見の良い親友持って感謝しないさいよ。
流石に今はゆっくりと
話を聞けないから。
兎に角、定時に終われるよう
早く手を動かしなさい。」


「香澄ぃ……。」


「ほら、ちゃんと仕事しなきゃ
仏の前田課長も
困り顔でこっち見てるじゃん。」


そうだよね。
今はちゃんとやるべき事やらなきゃ。


「うん。
わかった。ありがとね。」


私は香澄にそう言うと
よしっと背筋を伸ばして
パソコンに向かった。