部屋に入って電気をつけると
その場にペタリと座り込んだ。


何だか長い一日だったな。


ーーーユズさんのお店……
どうなっちゃうんだろうーーー


そう思いながらも
本心は別のところにあった。


正直、ちょっとへこんでいる。
ユズさんの事で
あんなにも感情を露にする
サトルさん……。


いつだってどんな時だって
感情を剥き出しにすることなんてないのに。


初めて見る姿に
私は戸惑った。


サトルさんにとって
ユズさんはやっぱり
それだけ大切な存在ーーーー


ズキンッーーー


そう思うと胸が苦しくなった。


なんだろぉ。
胸がズキズキする。


私ーーー
あの、二人に妬いてるの?


だけど、
昔からの友達なんだし
サトルさんがユズさんの事を
守ろうとするのは悪いことじゃないよね。


寧ろ当たり前だよ。
前だってユズさんが倒れたとき
めちゃくちゃ心配してたもんね……
それだけ大切な友達なんだよ……


それにあの時の埋め合わせだって
ちゃんと今日してくれたんだもん。
私とのデート楽しみにしてたって
言ってくれたし……。












なのにーーー


素直に納得出来ない自分がいる。


やだな……こんな気持ち……。


なんで私こんなにも
嫌な人間なんだろ。


ユズさんのお店がピンチだって
言うのに……。


きっと私ーーー


心に浮かび上がった思いを
慌てて消し去ると
私は新作の銀河が入った
小さな手提げを膝に乗せたまま
暫く動けないでいた。