「えっと……その……
ちゃんと……話す……?」


「何、とぼけてんだよ。」


「いたっ!」


サトルさんにデコピンされた。


「お前さぁ。
あの日、坂下と真っ直ぐ帰ってねぇだろ?」


「あの日って……。」


「ユズが倒れた日。」


「ユズさんが倒れた日……。」


「そっ。
あの日、坂下とどこいった?
押し倒されたりしなかったか?」


押し倒されたって……
てゆーか……


ち、近いって。


私の顔をぐぐっと覗き込んでくる
サトルさん。


私が返事に困っていると


「は、はぁ~ん、
さ、て、は、何かあっただろ?」


と、言いながら人差し指で
私の顎をなぞり出す。


うっ//////////


「何も答えられないってのが
答えってことなのか?」


じっと目を見ながらそう言うと、
クイッと顎を持ち上げられた。


目の前にサトルさんの端正な顔立ちが
あってまともに見れない…………。


思わず目を伏せてしまうとーーー


その伏せた瞼にサトルさんの唇が触れた。


「ひゃっ///////」


驚いて思わず声が出た。
するとーーー


「黙って…………。
上書きしなきゃなーーー」


耳元でそう言うと


髪にもキスを一つ……
額にも一つ……
頬にも一つ……







そして唇にもーーーー