甘いのくださいっ!*香澄編追加しました*

「そりゃ、良かった。
まぁ、寒天も黒蜜も使ってる商品
あるんだけど、今一、ワンパターンでさ。
っで、何かないかなと。
丁度、来月の七夕に合わせて
夏用水菓子の新商品として出すつもりだ。」


自信たっぷりにいうその顔は
とても嬉しそうでなんだか
子供みたいにはしゃいで見えた。


「そんな発売前の新商品、
私が食べても良かったんですか?
それに作業場にまで入れて貰って……。」


私がそう言うと、サトルさんは
作業台に手をつき私の顔を真っ直ぐ見て


「バカ、誰よりも一番最初に
お前に食べさせてやりたかったんだよ。」


と、サトルさんが言った。


「わ、私にですか?」


「そっ。お前にな。
言ったろ?この前の埋め合わせをするって。」


「えっ……覚えていたんですか?」


「まぁな。俺も楽しみにしてたし……
その……お前とのデートな。」


そう言うとくるりと背を向け
後片付けをし始めた。


けれど後ろから見る耳は
ほんのり赤くなっている気がした。