甘いのくださいっ!*香澄編追加しました*

「はぁ……、今日も美味しかったぁ。」


「お前、よくもまぁ、
毎回、毎回俺のデザートまで
食えるよな、腹いっぱいとか
言いながら。」


食後に出された
お抹茶を飲みながら
サトルさんが呆れたように言う。


「そりゃぁ、仕方ないですよ。
美味しいものが目の前にあって
手をつけないなんて……
あり得ないですよっ!」


「へぇ~、なるほどね……。
じゃぁ、俺がお前に手を出さないってのも
あり得ない話になるよなぁ?」


と、
ニヤリとしながらサトルさんが言う。


「へっ?
ななななななに言ってんですかっ。
へへへへへへ変態発言止めてくださいっ!」


「変態も何もないだろが。
据え膳食わぬはなんとやら……。」


と、言いながら
隣から私の腰に手を回してくる。


バシッ


「据えてませんからっ!」


慌ててサトルさんの手を叩いた。


「イッテェ。
クックックックッ……お前、マジウケる。」


「もうっ、からかわないでくださいっ。」


「分かったって。怒るなよ。
それより、今週末は仕事で会えねぇんだよ。
来週は坂下の野郎の番だし。
兎に角だ、
ちゃんと、昼休憩には店に顔出せよ。」


と、
また頭をガシガシっとされた。


「……だから、
やめてくださいって言うのに……」


顔が赤くなるのがバレないように
私も少し冷めたお抹茶を
一口含んだ。


苦味の中にほんのり
甘さがあり
ちょっとサトルさんみたいだなって
思った。