この状況、
どう考えてもおかしいよね?
取り敢えず、その場ではなんだからって
ホテルのティールームへ移り
ティールームの丸テーブルに
サトル→私→坂下さん
といった具合に並んで座っている。
そして、
恐ろしいくらいの無言。
無言……ムゴン……。
ムゥーゴォーンンー。
このままじゃ
どうにもなんなんないよ……。
お見合いじゃないんだからさ。
「あのぉ。
話をもう一度 、確認するとですね、
えっと、サト、櫻井さんと
坂下さんはお知り合い……?」
「知り合いじゃねぇよ、
この、キザったらしなんか。」
「相変わらずですねぇ、サトルさん。
よくそんな無神経な性格で
繊細な和菓子なんか作れますね。
あっ、味は大雑把なんでしたっけ?」
「はあ?
なんだとぉ?
もう一度、言ってみろっ。」
「おや、年ですか?
耳も随分遠くなられたんだ。
お気の毒に……。」
な、な、なんなの?
この二人ってどういう関係なの?
てゆーか、坂下さんって
こんな意地悪キャラだった?
なんだか、
イメージが随分と違うんですけど……。
「村崎さん、
この近くに僕がよく行く
カフェがあってね、
そこのシフォンケーキが
とても美味しいんだけれど、
生クリームたっぷりと添えてね、
これから食べに行ってみない?
もちろん、二人でね。」
と、
私の腕を掴む坂下さん。
っと、と、と……
がしっ!
ん?
ええっ!
見ると反対の腕をがっしりと掴んでいる
サトル……
私は両サイドから引っ張られる形になった。
「えっと……お二人とも
腕を話して頂きたいんですけど……。」
「お前、離せよ。」
と、ぶっきらぼうにサトルが言うと
「どうして?
サトルさんとの用事は
終わったんだよね、村崎さん。」
「てめぇ、勝手な事いうんじゃねぇよ。
大体だな、人の女に手をだすんじゃねぇ。」
「人の女って、
二人は付き合ってる訳じゃないんでしょ?
好きな人いないって
言ってたもんね、村崎さん?
それに僕だってアプローチしてるんですよ。
ねぇ、村崎さん?この前、
休憩室でふたりきりで、ねっ?」
意味ありげな視線を送ってくる坂下さん。
「二人きりで何したんだよ。」
と、さっきよりも数段機嫌が
悪くなっているサトルが言う。
「それは言いませんよ。
僕と村崎さんの美しい思い出ですから。」
「はあ?てめぇ、何しやがった!」
「何って密室に男と女が二人と言えば……」
「……このやろう、ぶっとばすぞ」
なに、なんなのこの人たち……
いい加減にしてよね。
聞いてりゃ勝手な事ばかり言って……
よぉーし、
バンッ!
二人の手を思い切り振り切り
テーブルを叩くと
「うるさぁーーーーいっ!
二人とも静かにしてくださいっ!」
静かなティールームに声が響き渡った。
ポカーンと二人して私の顔を見る二人。
「お客様……
周りのご迷惑になりますので……」
ホテルのウェイターに注意された。
ですよね……。
どう考えてもおかしいよね?
取り敢えず、その場ではなんだからって
ホテルのティールームへ移り
ティールームの丸テーブルに
サトル→私→坂下さん
といった具合に並んで座っている。
そして、
恐ろしいくらいの無言。
無言……ムゴン……。
ムゥーゴォーンンー。
このままじゃ
どうにもなんなんないよ……。
お見合いじゃないんだからさ。
「あのぉ。
話をもう一度 、確認するとですね、
えっと、サト、櫻井さんと
坂下さんはお知り合い……?」
「知り合いじゃねぇよ、
この、キザったらしなんか。」
「相変わらずですねぇ、サトルさん。
よくそんな無神経な性格で
繊細な和菓子なんか作れますね。
あっ、味は大雑把なんでしたっけ?」
「はあ?
なんだとぉ?
もう一度、言ってみろっ。」
「おや、年ですか?
耳も随分遠くなられたんだ。
お気の毒に……。」
な、な、なんなの?
この二人ってどういう関係なの?
てゆーか、坂下さんって
こんな意地悪キャラだった?
なんだか、
イメージが随分と違うんですけど……。
「村崎さん、
この近くに僕がよく行く
カフェがあってね、
そこのシフォンケーキが
とても美味しいんだけれど、
生クリームたっぷりと添えてね、
これから食べに行ってみない?
もちろん、二人でね。」
と、
私の腕を掴む坂下さん。
っと、と、と……
がしっ!
ん?
ええっ!
見ると反対の腕をがっしりと掴んでいる
サトル……
私は両サイドから引っ張られる形になった。
「えっと……お二人とも
腕を話して頂きたいんですけど……。」
「お前、離せよ。」
と、ぶっきらぼうにサトルが言うと
「どうして?
サトルさんとの用事は
終わったんだよね、村崎さん。」
「てめぇ、勝手な事いうんじゃねぇよ。
大体だな、人の女に手をだすんじゃねぇ。」
「人の女って、
二人は付き合ってる訳じゃないんでしょ?
好きな人いないって
言ってたもんね、村崎さん?
それに僕だってアプローチしてるんですよ。
ねぇ、村崎さん?この前、
休憩室でふたりきりで、ねっ?」
意味ありげな視線を送ってくる坂下さん。
「二人きりで何したんだよ。」
と、さっきよりも数段機嫌が
悪くなっているサトルが言う。
「それは言いませんよ。
僕と村崎さんの美しい思い出ですから。」
「はあ?てめぇ、何しやがった!」
「何って密室に男と女が二人と言えば……」
「……このやろう、ぶっとばすぞ」
なに、なんなのこの人たち……
いい加減にしてよね。
聞いてりゃ勝手な事ばかり言って……
よぉーし、
バンッ!
二人の手を思い切り振り切り
テーブルを叩くと
「うるさぁーーーーいっ!
二人とも静かにしてくださいっ!」
静かなティールームに声が響き渡った。
ポカーンと二人して私の顔を見る二人。
「お客様……
周りのご迷惑になりますので……」
ホテルのウェイターに注意された。
ですよね……。



