甘いのくださいっ!*香澄編追加しました*

確か…サトルさんは
会合に行ってるんだっけ?


折角だし、何か買って
川沿いのベンチで食べようかな。


水際だし木陰だと結構、涼しくて
気持ち良いんだよね。


突然の訪問に
トキさんも喜んでくれて
螢、と言う夏の和菓子を1つ
買った。


薄い小豆色したキントンに
黄色のなんだろう?
ホタルに見立てて
小さなものが散りばめられている。


まさにホタルが薄暗い夜に
フワリフワリと
飛んでいるような……。


食べるの勿体無いな。








「食わねぇのか?」


その声に振り向くと
珍しくスーツ姿のサトルさんが
立っていた。


「サトルさ……」


うっ……
スーツ姿…
めちゃ、格好いいんですけど…。


「螢、選んだのか。
それ、小豆色してるけど
黒糖を使ってるんだ。
小豆は中のあんこに使ってる。」


「へぇ……、そうだ
この黄色いのは?」


「ああ、ホタルか?
それは錦玉といって要は寒天だな。
食ってみろよ。」


スーツの上着を脱ぎ
ベンチに無造作に投げる姿を
横目に見ながら一口食べてみる。


うわ〜
凄く優しい甘さで
キントンの食感がフワフワしていて…
まさにーーー


「ホタルですね!」


「だろっ?」


満足げに笑うサトルさんを
見ていると、この人は
心から和菓子を、愛しているんだなって
言うのがよく分かる。


私もそんなサトルさんを
目一杯、支えてあげたい……。