「そうそう、
男の嫉妬は見苦しいったら
ありゃしない。
よくそんな狭い心で綺麗な和菓子
作れますよねぇ…坂下さん?」









な、なんだろ?
近頃、香澄と坂下さん
妙な所だけ意気投合してて
怖いんだけど……。


「てめぇら、好き勝手言ってねぇで
買ったらさっさと帰れっ!」


「あら、嫌だ。
随分と横柄な和菓子屋だこと。
ちょっと最近、イケメン和菓子職人とかって
雑誌で紹介されたからってねぇ、
調子に乗ってますよね、坂下さん?」


「春川さん…。
いくら、本当の事でも
いっちゃあ、いけないよ。
まぁ、その内、胡桃ちゃんの方から
愛想尽かすと思うけどね。
さっ、本当に時間が無くなるから
戻ろう。」


一通り会計を済ませ
店から出ようとすると……


「胡桃、渡したいもんあるから
こっちこい。」


と、サトルさんが手招きをする。
「ごめん、先に行ってて」と
香澄たちに言うと暖簾をくぐり
店の奥へとーーー


入るやいなや
唇を塞がれた。