「もっと、って、あたし、元々優しくなんて、」 我儘で、意地っ張りで、先輩を送り出せそうにもないのに。 「悩むことができる人は優しい人だよ。 星花は優しいいい子、大事なおれの妹」 すーっと髪をすいて、宥めるように触れる手つきは昔からあたしを何度も助けてくれたお兄ちゃんの手。