*** 先輩の進路を知って、身動きがとれなくなったあたしに会いに来てくれたお兄ちゃん。 いいことを教えてやる、と言って食卓からソファに移って来たんだ。 「あのな、さみしさを知っているともっと優しくなれるんだよ」 「優し、く……?」 そう、とお兄ちゃんはあたしの頭をポフッと撫でた。