振り向いた先輩はいつもと変わらず柔らかく、微笑んでいた。 まるで、あたしがこうしてやって来ることを知っていたみたい。 駆け寄って、人ひとり分のところでピタリと足が止まる。 先輩の友だちが席を外してくれたみたい。 「卒業、おめでとうございます」 「ありがとう」