「あたしはどうしたらいいのかな」 「どうもしなくていいんだよ。 大丈夫だから」 大丈夫。 そんな優しくて、なににもならない言葉に誤魔化されることができたら楽だったんだろう。 「納得してないって顔だな。 じゃあひとついいことを教えてやる」 あのな、と言ってお兄ちゃんに続けられた言葉に、あたしはまた泣いてしまった。 大丈夫。 大丈夫。 お守りみたいにその言葉を繰り返し、そっと大事に胸の奥でくるんだ。 ──────大丈夫。