一斉に俺に集まる視線。 何故か俺の回りにはいつも人が集まった。 だから俺が言えば、誰も彼女に何も言えなくなる。 それを俺は何となく気付いていた。 「何も知らない相手に、しかも相手がいないところで悪口。なに、楽しいの?何がしたいんだよ」 "そう、だよね…" "樹くんの言う通りだよね" "私、明日速水さんに話しかけてみよ" ───くだらない。 途端に態度が変わった。 ほんと、何なんだよこいつら。 俺は一緒に帰ろうという友達の声を無視して、ランドセルを持って一人教室を出た。