自嘲するような薄笑いを浮かべた俺から血の気が引いたのは 『樹くん……っ!』 なんて有紗の声が聞こえたから。 まるで、すがるような。 まるで…… 『───助けて……っ!』 と言うような…って、え? 「助けてって、有紗……?」 助けるって誰から? 有紗は今、どこにいるんだ? 聞かなきゃいけないことは山程あるのに、うまく言葉が出てこない。 頼ってほしい。助けてあげたい。 あの日から変わらずそう思ってたはずなのに、いざそんな場面に直面するとどうしたら良いか分からなくなる。