その時。 ふと、違和感を感じて俺は空を見上げた。 「あり得ねぇ……」 空からは、ふわり、ふわり。と雪が舞い降りてきた。 儚くて、美しくて。 「───…っ」 有紗、お前の好きな雪が降ってきたよ? 俺の大嫌いな雪が。 お前に似すぎた雪は、冷たくて俺の胸を締め付けるだけ。 だから、嫌いなんだ。 冬なんて、何もいいことがない。